決算日は自由に決めることができる
個人事業主の場合は暦年課税といって、毎年1月1日から12月31日が会計期間として定められており、所得税は翌年の3月15日までに申告・納付しなければなりません。
しかし法人の場合は、会社設立日から12ヶ月以内であれば、決算日を自由に決めることができます。
仮に、5月25日が会社設立日だとすると、たとえば翌年の4月30日を決算日とすることができます。
また、決算日は月末に限らなくてもよいので、たとえば4月18日など中途半端な日付を決算日にすることもできます。ただ決算処理の行ないやすさを考えると、月の末日にすることをおすすめします。
決算日の決め方3つのポイント
さて、会社設立日から12ヶ月以内であれば、決算日はいつにしても良いというのは先程説明した通りです。
そこで、この章では決算日を決めるときに損をしないための3つのポイントについて解説していきます。
- 繁忙期を避ける
- 決算日後の申告業務と納税に注意
- 消費税の免税期間を最大化する
1.繁忙期を避ける
繁忙期を避けたほうが良いのにはいくつか理由があります。
・節税対策などを行ないやすくなる
まず、季節によって売上の変動が大きい業種の場合、繁忙期を避けて、繁忙期よりも少し前の月を決算日に設定するのがおすすめです。
なぜなら、期の前半に1年の利益の大部分を獲得でき、見通しも立てやすいため、そこから決算日までの時間を使って、しっかり節税対策などを行なうことができます。
反対に、計画していた売上が確保できなかった場合でも、残りの期間で計画の修正や対策をしっかりと行なうことができます。
・決算に伴う事務作業に割く時間を確保する
もう一つの理由としては、決算日の前後は提出書類の作成や税金の納付など、やるべきことがたくさんありますので、単純に忙しくなるタイミングをズラした方が良いということです。
繁忙期は売上が多いだけでなく、その名の通り「忙しい」ということですので、決算の事務処理のせいで本来やるべき業務が滞ってしまうのでは本末転倒です。
繁忙期は、より売上を伸ばすことに集中したいですよね。
以上のような理由から、決算日は繁忙期を避けるべきです。
2.決算日後の申告業務と納税に注意
決算日後の申告業務と法人税の納付は、原則として決算日から2ヶ月後までに行なう必要があります。
たとえば、5月31日を決算日にした場合、7月31日までに税金を納付しなければなりません。
利益が多ければ多いほど税金は高額になってきますので、納税する月と資金繰りが悪化してしまう月が重なってしまうと、実際に納税するお金が足りなくなってしまう可能性があります。
税金が納められずに倒産、なんてことがあるのかと思う方は多いかもしれませんが、実は中小企業では稀にあることなのです。
そうならないためにも「決算日から2ヶ月後」に納税することを踏まえて決算日を決めることが大事です。
3.消費税免税期間を最大化する
資本金の額が1,000万円未満の場合、基本的に2期まで消費税の納税が免除されます。
注意すべきなのが「2年」ではなく「2期」だということ。
そのため、消費税の免除期間を最大限確保したいのであれば、1期目(初年度)から丸々12ヶ月間となるよう決算月を設定しましょう。